前回、映画のチラシは勉強になるというお話をしました。
覚えてますでしょうか?(前回の話「映画のチラシについて」はこちら)
いろいろと勉強になることが多いですが、映画のチラシがデザイン的に優れているなら、映画のサイトも優れていて然り。
何に優れているかというと、やはりエンターテイメント性に特化していて、お客様に「楽しんでもらう」ということに重点を置いたサイトが多いです。
映画の雰囲気をこわさず、もっとこの映画を見てみたいと思わせるようなサイトを作っていくことは簡単なことではありません。
でも、そんなサイトを作らなくてはならないのがプロの仕事です。
見ていて楽しい、おもしろい、すごいと思わせるような演出をサイトの中で表現するために、アニメーション(Flash)を使うことが多いです。
Flashを使うとSEO(検索エンジン最適化)に弱くなりがちですが、そこをCMやらチラシ、ネット広告などあらゆるメディアでカバーしあってプロモーションしていきます。
その中でも、WEBでのプロモーションを上手く使い、成功した映画をご紹介します。
■クロバーフィールド/HAKAISHA
当時、注目を集めヒットした作品なので、見た方も多いかもしれません。
監督はJ.J.エイブラムスでTV「LOST」や映画「ミッションインポッシブルIII」を手掛けた映像作家です。
彼の企画は奇抜で評価の高いものが多く、当時から注目されていたそうです。「クロバーフィールド」もその中のひとつです。
この作品のプロモーションでまず驚かされるのが、映画のタイトルが不明だったということです。
唯一の手がかりは、予告の映像と詳細不明のサイト
(http://www.1-18-08.com/)だけというものでした。
予告編の映像を見てもらえばわかりますが、ハンディカメラで撮影した、ドキュメントタッチの映画となっています。衝撃的な映像が展開され、見る者を惹きつけます。
この映像を見たら、サイトに行って詳細を知りたくなること間違いなしです。
サイトに行けば行ったで、また謎だらけです。
しかし、その謎を解くカギがこのサイトのどこかに隠されているのです。
そして新たな謎が生まれそれを解いていく。
また、設定も細かく、映画の中に出てくる架空の会社のサイトまで用意しています。さらにその会社の社長の映像や採掘現場の事故の様子もYouTubeで見ることができます。
このような感じで、人間の心理を逆手にとって好奇心を湧かせ、WEBというメディアを使い、上映前からみんなが映画に参加しているような雰囲気を作り、噂が噂を呼び話題となり、プロモーションを成功させたのです。
- 謎のサイト http://www.1-18-08.com/
- 謎のサイト2 http://www.aladygma.com/
- 架空会社の商品「Slusho」のサイト http://www.slusho.jp/
何かおもしろいことをやろうと思っても、形にするのはなかなか難しいですよね。映画はその中でも最高峰です。勉強にならないわけがないですね。
どんなことでも学ぶことはあると思っているので、少しでも何か吸収するものがあればいいなと考えています。
■その他、おすすめサイトはこちら
- G.I.ジョー http://www.gi-j.jp/
画面のインターフェイスが近未来型でかっこいいです。正義と悪、二通りの入口が用意されています。 - ボルト http://www.disney.co.jp/movies/bolt/
さすがディズニー、ゲームも楽しめて、クリアするとボーナス映像も見れます。 - レッドクリフ http://redcliff.jp/
サイトの中で歴史の勉強までできます。ヘルプ機能でしょうか、キャラクターが色々教えてくれます。 - 鴨川ホルモー http://www.horumo.jp/
邦画のサイトも負けてません。縦長のおもしろいレイアウトを使っています。